2008-07-01

「いま、釈迦のことば」 瀬戸内寂聴

いま、釈迦のことばいま、釈迦のことば
(2008/04/04)
瀬戸内 寂聴

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ごく一般の人々にとって、この方ほど有名な尼さまは、他に見当たらないほどの人物であろう。
著作業を経て出家されてからも数々の著書があり、京都に「寂庵」を開き、仏教者として活躍されている。また、2006年に文化勲章を受章されており、天台寺名誉住職、比叡山禅光坊住職の要職に就かれてもいる。


そんな寂聴尼が2008年4月の終わりに出版されたのが本書である。
ともすれば難しい内容になりがちな仏教解説書であるが、ダンマパダ(法句経)を中心に寂聴尼特有の心に染み込むような自然で平易な文体が魅力的である。

叡山に僧籍を置く寂聴尼が、あえてこの時世に原始仏教経典であるダンマパダを題材にとり肯定して、この本を著作された“意味合い”は大きいのではないかと思う。
非常に勇気ある行動でもあるし、叡山の寛容な包容力のなせる業なのか・・・。

ある意味、日本大乗や天台の教義と相反する部分もたぶんにあるのではないかと考える。
凡夫中の凡夫である私のゲスな勘ぐりなど、どうでもいいことである。
しかしながら、日本の大乗仏教界が当然当たり前と信じていた教えが揺らぐようになった明治以降のパーリ語・サンスクリット語原始仏典からの直接の日本語訳とその後の研究によって、私達日本人が信じている仏教とはなんなのか?という自己矛盾が常に傍らに存在してきた。

そこへきて、「いま、釈迦のことば」であるのだから感慨深い。

とうとう、この件にかんして、日本仏教の祖である天台のお山から事実上の解禁が暗に示されていると考えるのは早計であろうか?
時代の要請に敏感であり、積極的に俗人に法を説いてきた寂聴尼の行動だからこそ説得力が増すのであろう。本書を通じて是非とも沢山の方に原始仏教経典のブッダのもともとの教えに触れていただきたいと願う。

中泰




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