2008-06-10
毒舌・仏教入門
![]() | 毒舌・仏教入門 (集英社文庫) (1993/03) 今 東光 この本の詳細を見る |
昭和50年8月21日から5日間、東南寺で行なわれた戸津説法を収めた貴重な良書だと思う。
今東光(こん・とうこう)法名春聴は、天台宗の大僧正で直木賞作家、そして参議院議員まで勤めた人物である。川端康成、松本清張、瀬戸内寂聴などとも親交が深い方であった。
豪快にして緻密、毒舌をもって慈悲の心を示す。そんな人であったのであろう。時代の要請であったのか?そんな事には関係なくいつの時代にあっても、頭角を現す丹力をもっていたのかもしれない。どちらにしても、このような“人物”は、日本の大乗の素地からしか生まれ得なかったのだと思う。
気骨を持ちモノを言う、理不尽なものには一喝を浴びせ切り捨てる。なのにその強引ともいえるキャラクターで人々を引き付ける。
彼のような政治家はいる。
彼のような僧侶はいる。
彼のような作家はいる。
しかし、それを一人でやってのけるマルチぶりは尋常ではない。
小泉さんとダライラマと北野武とハマコーの要素をすべからく持ち合わせていたような人物である、と書いたら嘘のように聞こえるが、これが「毒舌・仏教入門」を読み終えた私の素直な感想である。
清々しい薫風を今も放ち続けているのである。
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